孤狼の血|皆の感想・口コミ・評価

ジャンル フィクション/ミステリー
監督 白石和彌
脚本 池上純哉
公開日 2018年5月12日
  • 役所広司
  • 松坂桃李
  • 真木よう子
  • 滝藤賢一
  • 中村倫也
  • 阿部純子
  • 竹野内豊
  • 中村獅童
  • 音尾琢真
  • 駿河太郎
  • 矢島健一
  • ピエール瀧
  • 田口トモロヲ
  • 石橋蓮司
  • 伊吹吾郎
  • 江口洋介

かなりの極道映画(B評価)

冒頭からキツイです。サラ金で経理を担当している上早(駿河太郎)が、養豚所で拷問されるシーンから始まります。豚の肛門からウンコが出るのをそのまま大写しにし、それを食わせて拷問する。そして、指を草刈り用のハサミでチョッキン。皮一枚で繋がっているのをまた切断し、もう一方の指も。うひゃ~というエグさ。本作は「こういう映画」なんだという宣言。「ついてこれない方は、お帰りください」という潔さ。このシーンで心をわしづかみにされ、後は引っ張られるように物語の中へ引きずり込まれてしまいます。

 白石和彌監督のバイオレンス描写にばかり目がいってしまいますが、演出の上手さも光ります。

 冒頭の養豚場でのエグいシーンの後は、上早の妹(MEGUMI)からの事情聴取のシーンとなります。そのシーンは少し暗めに撮って、役所広司演じる大上の警察官ながらも暗い一面を巧く切取った、心理描写としても見応えのある演出となっています。かき氷を食べるシーンがあって、大上がズボンを上げる描写とともに「冷やっこくて気持ちよかった」というセリフと上早の妹の口紅が乱れた口元のアップで、取調室でフェラしたことを仄めかす。胸の谷間の汗のアップもエロかったです。

 クラブで大上と日岡(松坂桃李)が、今後についてじっくりを会話をするシーンでは、ワンカット長回しで撮って、二人の目線のやりとりなどの演技合戦を一気に映し出し、後ろで、クラブのママ梨子(真木よう子)が、たまに見つめながらも、そっと去って行ったりする様子も捕えています。

 また後半で、日岡が、上司に向かって反感を抱く場面では、一転して強烈なまでに光を取り入れる演出でした。光と影の演出で人物の心理を巧みに描写しています。

 本作の予告編やチラシのキャッチコピーで「警察じゃけぇ、何をしてもえぇんじゃ」とウソぶく大上のセリフにシビレますが、他にも本作では名ゼリフがいっぱいあります。

 捜査令状もなしに証拠を探すよう命じられた日岡が、「これは捜査とはは言えません」「こんなもの正義じゃありません」と反発すると、大上は「正義とは何じゃ?法律が極道をしばいてくれるんか?奴らを生かさず殺さず手なづけとくのがワシらの仕事じゃ」
 
五十子組との抗争を調停されて、尾谷組の若頭・一之瀬(江口洋介)が意地をみせるセリフ

「極道は顔で飯食うとるんで、顔にクソ塗りたくられて、そのままいうわけにいくか!」

クライマックスの五十子組会長(石橋蓮司)を襲撃するシーンで、高倉健の「死んで貰います」を彷彿とさせるセリフが「外道らしゅう、死んじゃらんかい」

 いや、熱いセリフばかりです。名ゼリフのある映画=名作とは限りませんが、ここまで多いのも珍しいし、それぞれの俳優が名演技をしている。登場人物が多いのにちゃんと交通整理して、わかりやすくしているし、謎含みで、ダレさせないテンポの良い展開も、そして、容赦ない暴力描写と時おり挿入される笑いも効果的です。私は、傑作・名作の一本だと思います。

孤狼の血に似ているオススメ映画

この映画の類似映画は、極道の女たちのヤクザ映画が類似していると思います。

ヤクザ映画にもかなりの種類がありますが、ここまでヤクザを掘り下げて、くわしく描写した映画はこれまで見たことがありません。

必須な映画です。

コンプライアンスにうるさい現代社会にこれでも喰らえという作品(A評価)

今作の「孤狼の血」では、まさかの女性が書いている同名小説の実写映画化で原作者の柚月裕子さんは今作の白石監督と一緒にシーンを1カット1カット監督とチェックしていたらしく原作を読んでいる私が観ていてもかなり完成度が高い作品でした。

近年あまりパンチの効いた映画作品、特に邦画があまりにも少ない時代でこの「孤狼の血」が完成して上映された時は「やはり今の時代はこんな最高の作品が必要だな」と本当に改めて思いました。実際にこの作品の主演を演じた大上役の役所広司さんは「こんな清々しい作品に久しぶりに出演できて嬉しいです」と語っていました。

そして一ノ瀬役の江口洋介さんもかなり良い味が出ているインテリヤクザで本当に圧倒されました。私は江口洋介さんが好きなので個人的にはかなり最初から終盤まで「魂を燃え尽くしているヤクザ」を演じきれていると思いました。

そして役所さんの演じている大上章吾もかなり女にも所業にも刑事とは言えない人物でしたが、やはり目の奥に光るものがあってこれぞ広島暴力団係班長という感じがしました。こんな映画に出会えて光栄です。

孤狼の血に似ているオススメ映画

私がおすすめする作品は「凶悪」です。この作品はこの「孤狼の血」の監督をされた白石監督の作品で今作にもピエール瀧さんが出演しています。

この「凶悪」という作品は何よりリリー・フランキーさんの静かなる狂気が観ていて全身が凍えるようなサスペンスミステリー作品です。

ネタバレが多いですが、以下のブログで面白さを上手に伝えてくれていますよ。

参考:【ネタバレ有】映画「凶悪」の感想。人の命を金に変える黒い錬金術師 – 要件を言おうか

それぞれの正義を貫き通す汚れた男たちの映画(A評価)

“役所広司が、主人公の大上章吾を怪演しています。警察組織と反社会的勢力の狭間で揺れ動くひとりの男の苦悩を見事に体現していました。大上の相棒である日岡秀一を演じている松坂桃李の、ハンサムなルックスやスマートな佇まいとのコントラストが効果的です。大上の背中を追いかけていく内に刑事として覚醒していく日岡の姿からは、大先輩との共演によって成長していく若手俳優にも重なるものがあります。ピエール瀧や石橋蓮司を始めとする、脇を固める強面の俳優たちも確かな存在感を放っていました。むさ苦しい男たちの間を強かに渡り歩く、クラブ梨子のママに扮した真木よう子や日岡を惑わす薬剤師役の阿部純子などの女性たちの美しさも鮮やかでした。

オープニングショットで映し出されていく、養豚場での凄惨なシーンが衝撃的でした。ストーリーの舞台に設定されている、架空の都市・呉原市のネオンに囲まれた猥雑な街並みが味わい深かったです。

狼のエンブレムが刻まれた偽造ブランドのライターからは、偽物が本物よりももて囃される現代への痛烈な皮肉が伝わってきます。地方警察と暴力組織との根深い癒着構造には、時の政権と官公庁との忖度を思い浮かべてしまいました。1991年に制定された暴力団対策法によって消えていた、昭和の任侠道を歩んできた極道者へのレクイエムが込められています。

孤狼の血に似ているオススメ映画

「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」などの、過去の白石和彌監督の作品と合わせて楽しめます。

かつての「仁義なき戦い」「県警対組織暴力」を思わせる世界観が見どころです。古き良き時代の東映実録映画に慣れ親しんだ世代の皆さんには、是非とも鑑賞して頂きたい作品だと思います。

ヤクザ映画だけど自分の人生にも置き換えて見れる映画(B評価)

ヤクザ映画としてかっこいいと感じるかは人それぞれだと思いますが、引き込まれてしまうのは確かです。役所さんの演技はさすがだと思いました。まさにどんな役でもこなせる名俳優だと思います。松坂桃李さん最後の笑顔が凄く良かったです。

必死にもがきますながらも生き抜く為に戦う男達の姿を暴力とエロス、血とですごい熱量で描かれていて、正義とは何か、人情とは何なのかを考えさせられました。単なるヤクザ映画ではなくヒューマンドラマになっている作品だと思います。

かなり過激なシーンがあり思わず目を背けたくなる事がありました。中村倫也さんが目が血ばしっていていい味を出していると思いました。さすがカメレオン俳優と言われているだけあると感じました。

出演している俳優さんそれぞれが本物のヤクザに見える迫力ある演技をしていて、現代ではあまり描かれないようなシーンでも本当のように感じられるようでした。普段触れる事のない世界に身をおけるので、観終わった時は自分が緊張していた事に気付きました。

孤狼の血に似ているオススメ映画

「日本で一番悪いやつら」です。何といってもピエール瀧とリリー・フランキーのサイコパスな演技が際立っていました。

日本で一番悪い事をしているのは一般的にヤクザという事になるのでしょうが実は彼らより悪い事をしているのは警察だよという笑えない話ですが、テイストを軽くして徐々にダークサイドへ堕ちて行主人公をエンターテイメントに仕上げた監督の手腕がすごいと思いました。

結末が分からない見応えたっぷりの映画(S評価)

R15指定なだけあってエッチなシーンや残酷なシーンも入っていますが見応え充分な映画です。どういう結末になるのかハラハラドキドキであっという間の二時間でした。

映画のレビュー評価が高かったので劇場へ足を運んでみたものの、最初は「ヤクザと警察ものの映画ってあんまり観たことが無いし難しそう。ちょっと古臭い感じもするな…」と失礼ながら思っていた私でしたが、内容にもキャストの演技にも引き込まれて大満足です。

それぞれ組織のことも分かりやすく描かれていたと思います。また、松坂桃李さんや中村倫也さん等今話題のイケメン俳優の広島弁が聞けるという点でもオススメします。特に物語り後半からの松坂桃李さんの演技は光るものがありました。

私たちが正義として信じている警察官。その警察官の方々もみんなそれぞれ思いがあり、何が正義なのか、どうしていくのが本当に正しいことなのかと考えさせられました。自分に与えられた仕事だけをこなすのではなく、相手の思いをそのまま引き継ぐのでもなく、思いを知った上で自分で考え選択していくことを私も大切にしていきたいと思いました。

孤狼の血に似ているオススメ映画

2010年、 2011年に公開された映画『SP』です。孤狼の血と同じく邦画、警察が関連する映画です。

アクションシーンが格好良く、ストーリーも見応えがあります。こちらの作品はドラマから劇場版に繋がった作品なので、そちらから観るとより楽しめると思います。

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